ジェダイのように、恐れず信じる気持ちを持とう

みなさんは「Collaboration×Communication=Creation」を体感するワークショップと聞いてどんなイメージを持つでしょうか。表面的に文字面だけを捕えると、「何かでコラボして、コミュニケーションを取りながら、何かを作る」といったところでしょうか。この「6Csラボ」のワークショップも、「要するに何をしたの?」と聞かれたら、「親と子で、そして友達と『理想の家』を作ってみたのよ」と、簡単になるかもしれません。しかしその表現には、あるものがごっそりと抜け落ちています。それは「エネルギー」と「発見」です。私ならこう表現します。「子どもたちとエネルギッシュに関わり合いながら、新しい暮らしの形を発見したのよ!」

そして、この「エネルギー」と「発見」を得る為には、大人は「信じる気持ち」を持ち、ジェダイにならなければいけなかったのです。

第1回ワークショップのテーマは「家族みんなが、とんで帰りたくなるような家を考えよう!」

さあさあ、このテーマを聞いた時の、大人のイメージは貧困です(笑)

温泉が引いてある、お料理が出来ている、暖かい暖炉がある……。こんなところですよね。

では、子どもも一緒になって創ると、どんな作品に行きついたのでしょう?

このラボで起こった事件を、主催者6CsLabが提唱するアウトライン「観察する→対話する→試行錯誤する→創ってみる」の流れに添って見てみましょう。

まずは、親子紹介。今回は8組の親子が、親と子でそれぞれを紹介します。

素敵なところも添えるのですが、もう男子が、照れてしまい、ぐにゃぐにゃ(笑)

照れ隠しなのか、初っ端「お母さんの素敵なところは『ない』」と発言した男の子の表情に注目していました。その子は、他の子が「お母さんの素敵なところは、ご飯が美味しいところです」「笑顔がかわいいと思います」と言うのをそばで聞きながら「そうか、そう言えば良かったのか」という表情に変わっていったのを、私は見逃しませんでした。しかしこの気づきは、1番手だけが学べる特権だということに、将来、彼は気付くと思います。

次に主催者の「みゅーさん」から6Csの説明。こちらについては、サイトのメインページでも説明しています。

その後、6Csの原典とも言える『科学が教える子育て成功への道』の日本語版訳者、市川力さんのインスピレーショントーク。

市川さんについては、この文末にプロフィールを掲載しています。

どう見ても一般講義向けのスライドなのに、子どもたちがどんどんお話に引き込まれていきます。もちろん、普段、たくさんの講義をされているということですので、市川さんのお話のスキルも高いのだとは思いますが、市川さんが子どもたちを「信じている」から子どもたちもそれを敏感に感じ取り、話に関わろうとするのです。この「信じる気持ち」の例として、市川さんはスターウォーズの話を持ち出しました。少し間を置くと、そこに子どもが言葉を付け加える、そんなまるで仕込んだかのような、やり取りも見られました。

話に割り込む子どもに対し、市川さんはけして「静かにしなさい」などとは言いません。そう、親が一番言いそうなことですよね。市川さんは、子どものエネルギーの火を消すような言葉は一切言いませんでした。このことに関しては、ワークショップ後にあるお母様が「自分の子どもが話の最中に『なんでー?』や『わかんなーい』と言った時、思わず『ちょっと黙っていなさい!』と叱るところだった。あの時、それをしてはいけないということに初めて気付いた」と感想を仰っていました。

講義の中、市川さんは、学校神話に取り憑かれた親は、『子育て成功への道』のタイトルにある「成功」について、本当の「成功」とは何なのか、再定義をする決断を迫られていること、それは孤独な戦いになることをお話になりました。

また、

何気ない環境から生まれた自発的な活動

あきずにしつこく取り組む

試行錯誤を楽しみながら工夫する

この3つが、子どもが得意で大人が苦手なこと。だからこそ、子どもと一緒になって遊び、学ぶことが重要であり、その経験がこのワークショップでできるのだということを説明してくださいました。さあ大変です。「大人の方が当然『できる』」この自信を見直さなくてはいけません。

そして私たちは「このお話、子供にとっては、少々難しいかしら?」そんなふうに一瞬でも思ったことを反省するはめになりました。スライドを見て分かった気になる大人には謙虚さが足りないのかもしれません。

子どもの成長するエネルギーはとてつもなく巨大です。あの子ども時代の学びや進化が大人になっても持続していたら、人間は爆発してしまうかもと思うほどのエネルギー量です。しかし大人でも、姿勢しだいでまだまだ学べるし、まだまだ学んでいないことが多く残されていると感じました。そして、それは子どもを見習い、好奇心をスタートにし、探求し続ける姿勢を見失わないことで手に入るものなのかもしれません。

目次

観察する

さて、次に「いろんな家を見てみよう」のコーナーです。

モンゴルのゲルや、トルコの洞窟の家、川の上に浮かんだ家、森の中の家などをスライドで見ました。

これは「家」という形に対する固定観念を取り払う為のしくみですが、子どもたちにとっては大きなヒントになったようです。このように行きすぎない説明をすることも、大人の役割なのかもしれません。また、直線がない、長すぎる、部屋の真ん中にお風呂があるなど、変な「間取り」も紹介。この「間取り」の概念は小学校中学年以上には備わっているようで、縮尺は多少変ですが、家の中の様子を説明するのにさっそく役立てている子も見受けられました。

この縮尺の不正確さにも学びがあります。子どもは、重要な物ほど大きく配分するようです。つまり、温泉よりトランポリンの方が、サーキット場より車の方が大きいのです。「縮尺がおかしい」と言ってしまうことがナンセンスに思えるほど、大きな物はしっかりと描かれているのです。

対話する

いよいよワーク本番。

まずは親子でコラボレーションです。

「どんな家か」「なぜ『飛んで帰りたくなる』のか」を盛り込んで、紙の上に表現していきます。

その為には、まず、親子でたくさん会話をしなくてはいけません。

ここが「Collaboration×Communication」なんですね。

この順番に関しては、私たちも相当話し合ったのですが、市川さんが「さあ、話してみよう!だけではなかなか深い=表層的でない、本音の対話が生まれない。しかし、何か一緒に企むCollaboration があって、具体的な実感の伴う経験に基づいた Communication ができる。」と仰って、その意見に主催者一同納得。

今回の最初のワークも、親子で家を考えるCollaborationがあってこそ、本音のCommunicationが出来たのでしょう。

次はプレゼンテーション活動です。

親子で描きあげた紙を持ち、会場を歩き回り、説明をし合います。「合体させますよ」という事を伝えてあるので、そこからのCommunicationに火が付きます。

「すげー!面白そう!合体しよう!合体しよう!」と足をバタバタさせて興奮している子どもの声も響きます。

場のエネルギーが、グワンと活性化します。子どもに感化され、やっと大人にも火が付いてきました。子どもも大人も、相手の話をしっかりと聞いています。

試行錯誤する・創ってみる

さあ、気のあったチームで、Collaborationです。二つ、三つのアイデアを合体、融合させていきます。ここでは、ただくっつけ合ったものではなく、新しいアイデアが次々に湧いてきます。

例えば、「海と自然いっぱいの家」と「温泉とアトラクションがある家」が合体する時、ただ二つの家を隣にくっつけるのではなく、海と温泉が「飛び込み台」で繋がりました。この「飛び込み台」という発想は、大人では出てきませんよね。この二つの要素を合体させるとしたら、せいぜい海水温泉止まりでしょうか(笑)「温泉から海に飛び込んだら、おっちゃん、心臓麻痺で死んじゃうかも」なんてコメントもありましたよ。

さあ、この飛び込み台の設置を、絵ではなく、工作用紙を使って立体的にしたところから、子どもたち全員に何かのスイッチが入りました。「その手があったか!!」とばかりに、それぞれの島、テーブルで、平面的なものが立体的になっていきます。

もの凄いことになっています。この家は、金を置くフロアと、それを守る武器庫のフロアがあるそうですよ。

おうち見学

さて全ての家が完成し、これから全員で「おうち見学」です。どんな家か代表者が説明します。質問もばんばん飛び交いました。

まずは、1番

遊び場があり、車で遊びたい人も、移動したい人も自由に行けます。そして、星形の家が3階の高さにあり、地上とはエレベータで繋がっています。ロボットもいます。ロボットは、お手伝いをしてくれたり、疲れた時に歩かなくて済むよう、行きたいところに連れて行ってくれたりするそうです。3階がお金置き場で、2階がそれを守る武器庫。完成しなかったけれど、4階もあり、農場と遊び場を置くそうです。

「帰りたくなる」ポイントは、ズバリ「遊び場所」があること。そして「どこでもドア」があることです。

2番目。夢と自然の島。

え?島? そう、Collaborationの結果、彼らの創ったものは「島」になったのです。

まず海の家。スライムをつぶしてトランポリンにしたもの、雨でも魚釣りができる場所があるそうです。アトラクションも充実しています。トランポリンの真下に人をダメにするクッション(笑)があり、地下はトレーニングルームになっています。真ん中にはどーんと温泉。温泉には、滑り台でおりてエスカレーターであがるそうです。そして、温泉から飛び込み台で海へ行くこともできるのです。

自給自足の島で、牧場では、豚、牛、鶏を飼います。野菜も育てています。

「帰りたくなる」ポイントは、家の中でも外の遊びができること。そして、月に一度、魚たちが踊ってダンスをしてくれること。

3番目。女の子3人組チーム

女の子らしく、間取りがしっかりしています。ゲーム部屋、キッチン、玄関、寝室、お風呂場、お勉強する部屋まであります。真ん中に木が映えていて、屋根を突き抜けています。このチームは外から見た絵と中の様子を1枚の紙に表現しました。

「帰りたくなる」ポイントは、ロボットがたくさんいて、何でも作ってくれること。お菓子もくれるそうです。

わたしたちの学び

女子の作品に対し、「空気が薄いけどどうするの?」「食料はどうするの?」男子から矢継ぎ早に質問が飛びます。ここで「この家が空を飛ぶエネルギーは何ですか?」という質問にたじたじの女子。すかさず男性の大人が「男子が開発するんだ」とフォローします。「泥棒が入ってきたらどうするんですか?」の問いには「となりのチームの武器庫が役に立つんじゃないか」というフォローもありました。ここで大人がどう振る舞うのが良かったのか、終了後に主催者チームで話合いが持たれました。

もしかしたら、彼らは6CsのCriticalThinkingをしていたのではないかと気づきました。だとしたら、結論を急がせず「エネルギーは何がいいか?」「泥棒の侵入を防ぐにはどうしたらいいかな?」という問いかけの方が良かったのかもしれません。私などは女子の肩を持ち「エネルギー源は夢です」なんて言いそうでした。どうしても予定調和へ話を導きたがる大人達。課題は大人の方が多そうですね。

時間が限られているのもワークの宿命ですが、「これで終わるわけがない」と市川先生。帰り道で、そして帰宅後、子どもたちは持ち帰ったこの場のエネルギーで続きを考え、行動していくでしょう。このワークショップで体感した「Collaboration×Communication=Creation」を学校や、地域や、家庭で実践する機会なんて山のようにあるのです。

「エネルギー」と「発見」を得る為には、大人は「信じる気持ち」を持ち、ジェダイにならなければいけなかった

今回は、帰宅してからも自分の家の課題を話す子がいるなど、子どもにも気づきがいっぱいあったようですが、大人にとっての発見が相当大きかったように思います。何かを創造する時、大人は、経験の多さや、生きた年月から考え「子どもより大人の方ができる」と思ってしまいがちです。そして子どもに失敗をさせないように先回りしてしまったり、考えている最中に急かしたり結論を先に言ってしまったりします。でももっと子どもを信じ、そう、子どもの方ができるのだということを信じ、本気で一緒に遊んだ方がいいのではないかと感じました。子どものことを思ってといいながら、これを言ってはいけない、こんなことをしてはいけないと可能性をつぶしてばかりなのかもしれません。人は失敗からしか学べないともいいます。我が子が「いやなことがあっても、へこたれないできっと立ち直る」「今はわからなくてもいつか自分の力で分かる日が来る」そんなことを恐れずに信じてみることが大切なのではないでしょうか。

さあ、次回のテーマは「公園」、その次は「町」です。

いったいどんな「Collaboration×Communication=Creation」を体験できるのでしょうか?

あなたも子どもたちと一緒に、この「エネルギー」と「発見」を体感しませんか?

第2回

※受付・詳細は、後日、6Csサイトにて発表
日時:2/4(日)午前中
場所:未定
参加費:未定
内容「ちょっと危険だけど、面白い公園を考えよう!(仮)」
オープニングトーク
公園づくりアイデアソン
フィールドワーク:公園を観察する

第3回

※受付・詳細は、後日、6Csサイトにて発表
日時:3/11(日)全日 10時~16時くらいをイメージ
場所:未定
参加費:未定
内容「未来の街を考えよう(仮)」
テーマは街
1回目の家、2回目の公園の要素を活かす。
体育館などの広い場所を利用し、街のプロトタイプを作り、人に来てもらうイベント型の企画を予定

今回のインスピレーショントーク

市川力さん

探研移動小学校主宰。アメリカで13年、日本人駐在員の子どもが通う学習塾を運営。英語環境下での日本語習得の最前線で教育に携わる。2003年帰国後。2004年から2016年まで、東京コミュニティスクール(東京都中野区)という小学生対象のオルタナティブスクールの初代校長を務め、認知科学の知見を活かした、探求する学びを開発・実践してきた。現在は学校外で大人と子供が共に探求して学ぶ場づくりに取り組んでいる。

『科学が教える子育て成功への道』訳者紹介より

今回の会場提供

tanQFamily

東京都渋谷区千駄ヶ谷4-10-1 マリア千駄ヶ谷ビルB1

探究型・知育型通信教育『tanQuest(タンキュークエスト)』子どもが家庭で出来る探究学習
探究型・知育型通信教育『tanQuest(タンキュークエスト)』は、スマホで楽しみながら家庭で勉強できる探究型・知育型通信教育です。未就学児~5歳・6歳(小1・小2)の小学校低学年から受講可能。スマホへ届く動画教材と毎週開催オンライン授業の探究学習で子どもの考える力と生きる力を育む探究型通信教育です。
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