江戸時代を感じながら未来を描く

テーブルに複数の乾燥パスタが配られた。ひも、テープ、そしてマシュマロが1個。
「マシュマロチャレンジ」が始まった。
各チームで高さを競う。どのくらいの高さにできるだろうか。できるだけ高くしたい!と欲がでる。まずは小学生の男の子が数本のパスタをテープで留める。チーム員が各々パスタを押さえている。留まった。手を放してみる。一瞬立っただろうか。弱々しくそぉーっと倒れていった。もう一回!みんなで支えてテープで留める。あぁ、それじゃゆるいからもっときつめに留めたほうがいいんじゃないか。新たなテープを手に取って、きゅっと留めた。と同時にポキッという感触。

・・・。折れた(涙)私の心も折れた瞬間。申し訳なさすぎる。まだ序盤だったのが不幸中の幸いか。
誰も私を責めることなく、次に行こう!と前向きな発言とともにチャレンジは進んだ。でもなかなか立たない。どうしたら立つのだろう。時間は刻一刻と過ぎていく。

大人たちがパスタを立たせることに夢中になっているとき、小学生の男の子がマシュマロにパスタをさしていた。

「これを早くその土台にくっつけて高くしようよー」

うん、そうしたい。でもいまはまだ土台が土台の役割を成していない。
あーでもない、こーでもないと模索しているうちに、制限時間が迫ってきた。もうそんな時間?!焦るメンバーたち。特に大人。立ちそうで立たないパスタと格闘し続け、タイムアウト…。

「結果発表しまーす。まずは立ったチームはありますか?」
4チーム中2チームが手を挙げた。私たちは羨望のまなざしでその2チームを見た。
そして安定して立っているパスタの構造をみて、なるほどなーと感心した。土台がしっかりしている。

ファシリテーター曰く、プロセスをみているとどのチームが強いか早い時点でわかるとのこと。そのポイントは「いかに早くマシュマロにパスタをさしているか」だそう。

がーん。

彼が提案していたじゃないか。いま目の前で乾燥パスタをポキポキ折って食べている小学生の彼が。
過去、大人と子どもが一緒にこのマシュマロチャレンジに挑戦したケースで、優勝したのは6歳の未就学児だったとのこと。見本をつくっては試す、つくっては試す。何度試しても失敗することで、そのたびにコツを習得していったらしい。
小さな実験を試して積み重ねることで、成功へとつなげることができる。
失敗を恐れずに直感に従い、そこから学ぶべきだと体感した。

あーでもない、こーでもないとさわいだが、チームにコミュニケーションはうまれた。ぐっと距離が近づいた気がした。タワーは立たなかったけど(無念)

前回の江戸東京博物館見学にて興味をもったテーマについて、各々が調べて発表へ。
「鎧」を調べてきた男の子は、世界平和につながる話をして大人をうならせた。
ある女の子は「お寿司」について当時の人気のネタを発表。当時不人気だったネタは、トロだったらしい。現代では上位ランキングに入るこのネタの名前が発表されると、どよめきも。

次に配られたのは、模造紙とペン。
チームで相談して主人公を設定する。はじめの段階で困っている主人公が、120%ハッピーになるためのストーリーを作る。これも子どもと大人の共同作業だ。まずは江戸時代から未来に向かって横軸に時間をとり、未来から流れるような曲線をひいていく。利き手と逆の手でかいていくのがおもしろい。
自由な発想でのストーリー作りは子どもたちのお手のもの。

「最初は貧乏でご飯が食べられなかったんだよ」
「だから森に行って木を折って売ってたんだ」
「そのあとちょっとだけお金ができたから斧を買ったんだよー」

次から次へと子どもたちから発想が溢れてきて、大人は漏らさないようにメモをとりながら、ワクワク聞いている。油断するとメモを取る手が話に置いていかれるほど。
小学生の男の子が中心となり実際に身振りを加えながらストーリーを作っていき、場面と場面の間のつなぎは大人が問いかけることで話をさらに発展させていった。

「お酒をつくってもうけるんだ」
「急にお酒がつくれるようになったのかな?」
「お酒の師匠に出会うのは?」
「仲間ができるんだね!」

他のテーブルをみると、ふせんを使っているチームもあった。模造紙一面に出来事の書いてある色とりどりのふせんが並んでいて、子どもたちの発想力の豊かさが伝わってきた。

この方法は最終的に主人公が120%ハッピーになるストーリーなので、高揚感も半端ない。
自分たちが設定した主人公という他人。この彼を幸せにするストーリーを作ることで利他性も学ぶことができるのだと、終わってから気づいた。

6Csラボは、この6つのCを意識し、レベルを高め、他者と協力しながら創造的に生きる人を増やしたいという理念をもっている。

Collaboration(コラボレーション)
それぞれの強みを活かし弱みを補い合う
Communication(コミュニケーション)
対話によって互いが満足するストーリーを作る
Content(コンテンツ)
専門領域について熟知し直感が働く
Critical Thinking(クリティカル・シンキング)
根拠に基づき熟慮して上手に疑う
Creative Innovation(クリエイティブ・イノベーション)
変革について大きなビジョンを持つ
Confidence(コンフィデンス)
熟慮した上で失敗にひるまず挑戦し続ける

最初から、この6つのCを意識して取り組んだというよりも、気づいたらそうなっていたという方が正しい。ワークショップを心から楽しんでいたので、意識する時間はなかったからだ(苦笑)もしかすると6Csの活動を通して繰り返しこれらのCを目にすることで、無意識のうちに行動に結びついていたのかもしれない。今回はコラボレーション、コミュニケーション、クリエイティブ・イノベーションが活かされていた。

ワークショップを心から楽しんでいたので6つのCを意識していなかったつもりが、無意識のうちに行動に結びついている!

そんな6Csにみなさんもどうぞ!

レポート
藤田珠代